【9月10日 AFP】サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)は9日、予選の試合が各地で行われ、グループAのオランダは1-2でチェコに敗れた。

 オランダは試合終了間際、交代出場で入ったチェコのバーツラフ・ピラージュ(Vaclav Pilar)に決勝点を許し、欧州選手権予選は黒星スタートとなった。

 オランダは前半中盤、ボレク・ドカル(Borek Dockal)に先制点を許すと、後半10分にステファン・デ・フライ(Stefan de Vrij)がいったんは同点とするゴールを決めたが、敵地プラハ(Prague)での勝ち点1が濃厚となった後半ロスタイム、ピラージュに決勝点を許した。

 W杯ブラジル大会(2014 World Cup)では3位に入ったオランダだが、ルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)前監督に代わって自身2度目となる代表指揮官に就任したフース・ヒディンク(Guus Hiddink)監督は、4日に行われたイタリアとの親善試合でも0-2で敗れていた。

 そしてこの日は、アリエン・ロッベン(Arjen Robben)やクラース・ヤン・フンテラール(Klaas-Jan Huntelaar)、ロン・フラール(Ron Vlaar)といったW杯メンバーを欠く布陣ではあったものの、チームは90分間では2012年の欧州選手権(UEFA Euro 2012)以来となる公式戦での黒星を味わっている。

 チェコは前半22分に見事な形で先制した。ダヴィト・ラファタ(David Lafata)が落としたボールをスパルタ・プラハ(Sparta Prague)で同僚のドカルがペナルティーエリア手前からボレーでたたくと、ボールはポストに当たってゴールへ入った。

 オランダも後半10分、新たにマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)加入の決まったデリー・ブリント(Daley Blind)が完璧なクロスを送ると、デ・フライが対角線上に放ったヘディングシュートがチェルシー(Chelsea)のGKペトル・チェフ(Petr Cech)が守るゴールを破り、同点に追いついた。

 しかし、W杯出場を逃したホームのチェコは、あきらめずに前へ出ると、迎えた後半ロスタイム、ダリル・ヤンマート(Daryl Janmaat)のクリアーミスから決勝ゴールを手に入れた。

 ヤンマートが自軍ゴール方向へ頭で誤って流したボールはポストに当たり、飛びついたGKヤスパー・シレッセン(Jasper Cillessen)の横をすり抜けると、ピラージュが目の前にこぼれてきたボールをがら空きのゴールへ難なく流し込んだ。

 1月のパベル・ブルバ(Pavel Vrba)監督就任以降では、初となる勝利を挙げたチェコは、これをきっかけにして10月に行われるトルコ戦、カザフスタン戦に臨む。

 一方、「苦い敗戦だ。最後の最後で負けたんだから」と話したヒディンク監督は、ブラジル大会と同じ5-3-2の布陣で試合に入ったが、チェコに先行された後は自身が好む4-3-3に切り替えた。

「システムは問題ではない。右サイドの個人のミスからチェコに点を決められた。ディフェンスがああいうミスをしたのだから、今日はどちらのシステムについても何を言おうと仕方がない」

「チェコはチャンスをあまり作らせてくれなかった。いくつかはあったが、ゴールを決めさせてくれなかった。この開幕戦で得たものは、教訓だけだ」

(c)AFP