【9月5日 AFP】世界の少女の約10%にあたる約1億2000万人が20歳になるまでにレイプや性的暴力の被害にあっていることが、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が5日に発表した報告書「Hidden in Plain Sight」で明らかになった。世界の少女たちの約10人に1人が被害にあっていることになる。

 報告書は子どもたちに対する暴力や虐待の実態を190か国から収集したデータをもとにまとめられたもので、同様の調査では史上最大規模のものだという。

 調査から、世界の殺人事件の被害者の20%は20歳未満の若者や子どもたちであることが分かった。なかでもベネズエラ、コロンビア、パナマやブラジルなど中南米の国々で、殺人は10~19歳の少年の死亡理由のトップとなっていた。

 また、世界中の13~15歳の生徒の3人に1人が、日常的にいじめを受けていた。

 さらに暴力を伴うしつけとして、58か国の子どもや若者の17%が、頭や耳、顔を殴られたり、繰り返し叩かれたりする体罰を受けていることが分かった。

 ユニセフの報告書は、子どもたちへの暴力を正当化しこれまで存在させ続けてきた思考にも切り込んでいる。

 子どもたちに対する暴力の抑止対策として、報告書は「親たちへの啓蒙(けいもう)活動」「子どもたちへのライフスキル教育」「暴力を正当化する社会通念の変化」「暴力にさらされている子どもたちへのサポート」「子どもたちを暴力から保護する法律や社会制度の整備」「子どもたちへの暴力に関する問題意識を生みだし、その人的および社会経済的コスト面での損失を立証できるデータの収集」の6項目を挙げている。(c)AFP