【9月5日 AFP】全米で4日、ファストフード業界で働く労働者が賃上げと労働組合を結成しても報復しないよう会社側に求めるデモを行い、ニューヨーク(New York)とロサンゼルス(Los Angeles)で合わせて少なくとも44人が逮捕された。

 労働者たちはファストフード業界の最低賃金を時給15ドル(約1580円)に引き上げることを要求している。これは現在多くのファストフード・チェーンで支払われている最低賃金、時給7.25ドル(約760円)の2倍以上にあたる。

 抗議行動を呼び掛けた「ストライキ・ファストフード・ドットオルグ(strikefastfood.org)」によると全国行動のこの日、映画館や娯楽施設が集まるニューヨーク・マンハッタン(Manhattan)の繁華街にはデモ参加者数百人が結集した。タイムズスクエア(Times Square)にあるファストフード大手マクドナルド(McDonald's)前の路上では約20人が座り込みを実施。交通を妨害したとして騒乱行為容疑で19人が逮捕された。ニューヨーク市警によると、同市ではさらに15人が逮捕されたが、詳しい経緯は発表されていない。

 ロサンゼルスでは市内南部にあるマクドナルドの店舗前に夜明け前からデモの参加者が集まった他、ダウンタウンでも別のデモが行われ、後者のデモで10人が逮捕された。

 主催者らによると同日は他にもシカゴ(Chicago)、デトロイト(Detroit)、マイアミ(Miami)、デンバー(Denver)など全米150の都市で一斉に抗議行動が実施された。しかし、先月9日に18歳の黒人青年マイケル・ブラウン(Michael Brown)さんが警官に射殺された米ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)に近く、事件後に騒乱が続いた同州セントルイス(St. Louis)でのデモは中止された。

 米国のファストフード労働者による運動は2012年11月にニューヨークで始まり全米に広がったが、米国以外の国ではそれほど大きな動きになってはいない。(c)AFP