【9月5日 AFP】推定体重が小型車60台分にもなる超巨大草食恐竜の化石をアルゼンチンで発見したとの研究論文が、4日に英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」で発表された。約7700万年前に泥にはまり込んで身動きが取れなくなり、死んだ可能性が高いという。

 古英語で「怖いもの知らず」を意味する「ドレッドノータス(Dreadnoughtus)」と名付けられたこの長い首を持つ恐竜は、鼻から尾までの全長が26メートル、体重は約60トンと推定されており、これは肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)7頭分に相当する。

 米ドレクセル大学(Drexel University)などの古生物学者チームが発表した論文によると、化石が発見された個体は、冠水した平原で身動きが取れなくなって死んだ時点ではまだ完全な成体ではなかったとみられる。隣には、体がそれより小さいもう1頭の個体の化石も見つかった。

 論文の共同執筆者の一人、米ドレクセル大のケネス・ラコバラ(Kenneth Lacovara)氏は「家1軒ほどの大きさの体、ゾウ十数頭分に匹敵する体重、武器になる(長さ9メートルで筋肉質の)尾を持つドレッドノータスは、まさに怖いもの知らずだったと思われる」と語る。

 ドレッドノータスの強さは、20世紀初頭の欧州で使用された「巨大で、装甲が厚く、ほぼ無敵の」軍艦であるドレッドノート級戦艦を思い起こさせるとラコバラ氏は言う。

 今回発見された化石は、超大型草食恐竜ティタノサウルス(Titanosaur)の一種に分類される恐竜の骨格化石としては、これまでに発見された中で最も完全に近い形のものだという。これにより高い精度で体重の算出が可能であり、その結果ドレッドノータスは、これまでに同程度の精度で体重が算出された中で最大級の陸生動物であることが判明した。