【9月4日 AFP】英ロンドン(London)のバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)の近衛兵が、歩哨任務中にくるくると踊るように回ってみせる様子を映した動画がインターネット上で話題となり、英国防省は3日、軍紀違反の疑いで調査を開始したことを明らかにした。

 問題となっているのは、英エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の公邸であるバッキンガム宮殿で衛兵任務に就いている1人の兵士を観光客が撮影した約3分間の動画。

 この衛兵は、大げさにゆっくりと行進したり、くるくると何度も回ったりしているほか、前かがみになって地面から何かを拾う仕草や、哨舎の前で片脚を高く上げて止まる動作など、観光客を笑わせるのが目的とみられる動きをみせている。

 英国防省は、この動画の真偽と衛兵の身元の調査を行っていると表明。英軍報道官は「英国軍の高い規律に満たない者には、相応の措置が取られるだろう」と述べ、「楽しい動画」ではあるが「任務中の兵士にわが軍が期待している行為ではない」「バッキンガム宮殿の警備は重要な任務であり、ふざけた行為は求めていない」と一刀両断した。

 バッキンガム宮殿の敷地を警備する近衛歩兵連隊グレナディアガーズ(Grenadier Guards)は、英国軍でもトップクラスの歩兵連隊。衛兵任務中に不適切な振る舞いをした兵士は、戒告から免職までの処分対象となる。

 問題の動画は、エリザベス女王がスコットランドで夏季休暇中に撮影されたとみられる。ネット上の反応はさまざまで、動画は偽造だと主張する人もいる。

 息子が近衛兵だという女性は、問題の兵士は「制服に泥を塗った」と非難し厳しい処罰を要求した。ただ、もっと寛容な意見も多く、「無害な行為で、見物客をちょっと楽しませただけだ。仕事中に人間らしさも見せてくれた」と弁護するコメントも見られた。(c)AFP