【9月3日 AFP】インド北部シムラ(Shimla)で1日、建物の屋根から猿が紙幣をばらまき、人々が現金を拾い求めようと殺到する出来事があった。目撃者が2日、AFPに語った。

 現地紙アマール・ウジャラ(Amar Ujala)によると、猿は食べ物を求めて建設現場に侵入したが何も見つけられず、代わりに建設業者が作業員への給料として用意していた1万ルピー(約1万7000円)分の紙幣を持って逃走したという。

 住民のアショク・クマールさんはAFPに「近所の寺院からの帰り道、人が集まって空から降ってくる紙幣を見上げている場面に出くわした。木の上から猿がまいていた。自分も皆に加わって、100ルピー(約170円)紙幣を2枚拾ったよ」と語った。

 建設現場の作業員たちは猿を捕まえようとしたが、猿は楽しそうに紙幣をまきながら屋根から木へと移動。人々は紙幣を集めるために1時間近くたむろしていた。

 ヒマチャルプラデシュ(Himachal Pradesh)州の州都シムラでは、猿の数が膨れ上がっており、時に住民や旅行者を困らせている。シムラでは2月にもサルが現金の入った袋を盗み、街中の人通りの多い道で中身をばらまいて人々を喜ばせたことがある。

 ヒンズー教国のインドでは猿は敬意を払う対象とされているが、庭やオフィス、住宅を荒らすなどの害ももたらしており、餌を求めて人を襲うこともある。(c)AFP