【9月3日 AFP】世界の約28億人が、自宅で呼吸しているだけで健康を害したり、寿命を縮めたりする可能性があるとする論文が3日、呼吸器医学の専門誌「ランセット・レスピラトリー・メディシン(The Lancet Respiratory Medicine)」に掲載された。

 論文によると、世界人口の約40%が調理や暖房、照明のために自宅でまきや木炭、石炭を燃やしており、燃焼による室内の空気の汚染が病気や早世の原因になっている。このような暮らしをする人は主にアフリカとアジアに多いという。

 英リバプール大学熱帯医学校(Liverpool School of Tropical Medicine)と米オハイオ州立大学(Ohio State University)の研究者らによる論文によると、世界各地の6億~8億世帯が室内の空気が原因で、呼吸器感染症や肺炎、ぜんそく、肺がんその他の病気にかかる可能性が高いことが分かった。

 研究チームによると、2010年に自宅室内の空気汚染が原因で死亡した人は350万~400万人に上るとみられるという。(c)AFP