■動かない政治

 北京女性会議が開催された20年前、中国ではDVは存在しないものとして扱われ、当局に訴えることはできなかった。身体的暴力は離婚理由としても認められなかった。2001年にようやく婚姻法が改正され、初めてDVを禁止する旨が明記された。

 しかし、現行法にはDVの定義がなく、女性たちがDV被害を訴え出ても多くの場合、警察から女性団体、地元住民自治会へとたらい回しにされる。当局は、被害者が重傷でも負わない限り介入に消極的だ。

 全国人民代表大会(National Peoples Congress、全人代、国会に相当)は2012年、活動家が起草したDV防止法案について検討することを決めたが、まだ行動には移していない。

 そうした現状にもかかわらずADVNが解散した理由について、ADVN理事会は当時、「使命をおおむね果たしたから」と説明した。ADVNで中心的な役割を担ってきた幹部たちは解散の決定について口を閉ざすが、組織的影響力が強まったことが一因かもしれないと指摘する声もある。

「政府と非政府組織(NGO)との関係では、よくあることだ」と、匿名を条件に取材に応じた幹部の1人は語った。「政府は、市民団体が政府批判をしたり、中国社会のマイナス面を指摘したりするのを嫌がる」

■暴力の恐怖は今も

 社交ダンスが長年の趣味だったマーさんは結婚後、すっかりやつれ、髪は薄くなり、体調も崩してしまった。今も、自分の一挙一動を監視し、家事をおろそかにしたと言っては手をあげた夫の影におびえながら暮らしている。

「私は法律の専門家ではないし、警察官でもない。だから、私にはこの問題について分からないことがたくさんある」というマーさん。それでも、誰でも自分の行動には責任を負うべきだというのは常識だと、AFP記者に語った。「夫の振る舞いは、罰を受けるに値するのではないでしょうか。もし兄が助けに来てくれなかったなら、私は天国に行ってしまい、こうしてここに座ってあなたと話すことはなかったかもしれないんです」(c)AFP/Felicia SONMEZ