■ナチスとISの比較で「挑発」も

 米当局のツイッター・アカウントは、イスラム武装組織が公表する大量虐殺の画像をためらうことなく引用し、ナチス・ドイツ(Nazi)を引き合いに出してISを非難している。

 ある投稿では、IS戦闘員が処刑した人々の遺体で埋まった塹壕の脇に立つ写真と、そっくりの状況を写したナチスの写真とを並べ、「昔と今:ナチスは――ISIS(イラク・レバントのイスラム国、Islamic State of Iraq and the Levant、ISの旧組織)と同様に――非寛容と憎悪の熱情から殺人を犯した」とキャプションを添えた。

 皮肉も使われる。氷水をかぶって難病支援を呼び掛ける運動「アイス・バケツ・チャレンジ(Ice Bucket Challenge)」を風刺した漫画もリツイートされた。「文明世界」がバケツに入った血をかぶる設定の風刺画は「ISISバケツ・チャレンジ」と題されていた。

■ツイッターは「侮辱的発言」に効果大

 米高官らはソーシャルメディア上の作戦について、以前はイスラム過激派に独占されていた「空間(スペース)の奪い合い」だと語る。最終的な目標は、欧米やイスラム諸国の若者たちがシリアやイラクへ行ってISに参加する前に、考え直させることだ。

 イスラム武装勢力を挑発する投稿をする際のトーンの選び方も、米当局は意識している。「ツイッターは良くも悪くも、いわゆる嫌みや皮肉、侮辱的な発言に向いたプラットフォームだ」と、ある高官は説明した。「それも、われわれが狙っていること、つまり攻撃だ」

「われわれは無実の人々、アルカイダやISISの犠牲者の人命損失には、敬意を払っている。それは皮肉の対象ではない」「ただ、(武装勢力を)嘲笑するときに有効なのは、彼らが言っていることと、やっていることを比較することだ。偽善は、こうした武装組織の弱点だ」

 米メリーランド大学(University of Maryland)テロリズム・対テロ研究全米連合(National Consortium for the Study of Terrorism and Responses to Terrorism)のウィリアム・ブラニフ(William Braniff)事務局長は、米当局の対テロ・ネット戦略は正しい方向へと進んでいるが、結果を生むには時間が必要だと指摘している。「現在は、まだごくわずか(な効果)だ。過激派のプロパガンダはネット上に大量にはびこっている。こうした種類のプログラムが勢いを得るまでには、猶予を与えなければならない」(c)AFP/Nicolas REVISE