【8月31日 AFP】アフリカ南部レソトのトーマス・タバネ(Tom Thabane)首相は30日、軍によるクーデターがあり、隣国南アフリカに逃亡したことを明らかにした。

 現地時間30日午前3時(日本時間同日午前10時)過ぎ、軍が首都マセル(Maseru)にある警察の本部をはじめとする主要施設を占拠。首相はこれについて、自らを失脚させるための「周到に準備された企てだった」と述べた。

 首相はメディアに対し、「武力によって追放された。これは違法行為だ。命の危険がなくなればすぐに帰国する…殺されるために帰国することはない」と語ったが、軍は「根拠のない主張だ」としてクーデターを否定している。

 AFPの取材に応じた警官らによると、交代時刻の前後に重武装した兵士ら数十人が装甲車を乗り付け、自動小銃や半自動式の火器を奪っていった。銃撃戦が起こり、少なくとも4人が重傷を負ったという。

 匿名を希望した警官の1人は、「(軍側は)何を要求しているのか明らかにしなかった。ただ、われわれを取り囲み、武器庫に侵入した」と話した。

 同国の情報機関の関係者はAFPに対し、クーデターは国防軍の指揮官を解任されたばかりのトラリ・カモリ(Tlali Kamoli)中将が率いたものとの見解を示している。(c)AFP/Andrew BEATTY