【8月30日 AFP】国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)は29日、脳腫瘍がある5歳の少年が病院から家族によって連れ出されたとして、加盟国190か国に警報を発令した。当局は、少年の命を救える時間はわずか数時間と述べている。

 アーシャ・キング(Ashya King)君の両親は28日、英南部のサウサンプトン(Southampton)の病院から医師の同意なく息子を連れ出し、仏シェルブール(Cherbourg)行きのフェリーに搭乗した。

 アーシャ君の両親がなぜ息子を連れ出したのかは不明だ。両親はエホバの証人(Jehovah’s Witnesses)の信者だが、同宗教団体は29日、2人の行動には宗教的信条を理由とするものは何もみられないと述べた。

 国際刑事警察機構は声明で、「アーシャ君の健康状態への深刻な懸念がある。動くことができず、車椅子か乳母車にのっている可能性が高い。また、話すことができない」と述べた。

 捜査を担当する英南部ハンプシャー(Hampshire)州の警察のディック・ピアソン(Dick Pearson)刑事局長は、「今日、アーシャ君が見つからなければ、命に関わる重大な懸念がある」と述べた。

 また警察のクリス・シード(Chris Shead)報道官は、両親に対し「直ぐにアーシャ君を近くの病院に連れて行くように」と直接呼びかけた。

 フランス当局はAFPの取材に対し、夫婦は28日夜、子ども7人を連れて病院に到着、ナンバープレート「KP60 HWK」の灰色のヒュンダイ(Hyundai)車を運転していたと述べた。(c)AFP/Chloe COUPEAU