【8月29日 AFP】内戦状態のシリアから逃れた難民の数が300万人を超えたと、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が29日、発表した。昨年1年間だけで100万人が難民になったという。

 シリア難民の大半は周辺諸国へ逃れており、レバノンが114万人、ヨルダンが60万8000人、トルコが81万5000人を受け入れている。難民認定を受けずに逃れた人の数は含まれていない。

 国連によれば、シリア難民の大半が1年以上にわたって逃亡生活を続けた経験をもち、村から村へ渡り歩いた末、最後の選択肢として国境を越えているという。例えばレバノンへ逃れた難民の半数以上は、国境を越える前に最低1回は国内で避難生活を送っており、10人に1人は国内で3回以上避難したことがあった。ある女性はレバノン入りするまでに国内で20回以上移動したと述べている。

 UNHCRは、1年足らず前の調査では認定を受けたシリア難民の数は200万人だったと述べ、急増の背景として「シリア国内がますます恐ろしい状況になっている」との報告が複数上がっていることを指摘。また「住民が包囲されている都市では飢餓が進行し、民間人が無差別殺人の標的とされている」と述べた。

 難民に加え、650万人が国内避難民になっており、シリア国民の約半数が自宅を離れての避難を余儀なくされていると、UNHCRは危惧している。(c)AFP/Nina LARSON