【8月26日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に殺害された米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー(James Foley)氏(40)が家族に残した感動的な手紙が公開された。

 フォーリー氏は2012年11月にシリアで拉致され行方不明となっていたが、先週になってイスラム国の戦闘員に斬首される映像が公開された。

 公開された手紙の内容は、フォーリー氏が解放された人質の一人に密かに暗記してもらったものだという。メッセージを受け取った両親のジョンさんとダイアンさんは、同氏の死後、その内容をフェイスブック(Facebook)上で公開した。

 手紙では、ニューハンプシャー(New Hampshire)で家族と暮らした子ども時代の思い出が心の支えとなったことが語られている。また敬虔(けいけん)なカトリック教徒だったフォーリー氏は、祈ることで両親が身近に感じられると語っている。「僕のことを思い、祈ってくれていることは分かっています。本当にありがとう。僕も祈っていれば、あなたたちを感じることができる。強い心と信じる気持ちを保てるよう祈っています」

 手紙では、フォーリー氏がシリアでイスラム国に拘束されていた間、複数の国籍を含む他の人質17人と共に苦難を乗り越えようとしていた様子が語られている。「僕たち18人は1つの部屋に入れられている。僕にとってはそれが助けとなった。みんなで映画やスポーツや、とりとめもない話題をいつまでも話したりしていた」。これら人質のうち、解放された者はまだ一部だ。

「気弱になる日もあれば強い気持ちでいられる日もある。仲間の誰かが解放されたら、みんなで喜ぶ。でも、もちろん自分自身の解放を切望している。互いに励まし合って勇気を持てるよう、仲間とがんばっている。食事の内容は以前より良くなって、毎日与えられている。お茶はあるし、たまにはコーヒーも飲める。昨年で失った分の体重は、今年になってほとんど取り戻せた」

 フォーリー氏は弟や妹、祖母にも共に休暇を過ごした幸福な時代を回想するメッセージを送っている。「おばあちゃんへ。ちゃんと薬を飲んで、散歩やダンスもしてください。家に帰ったらマルガリータズ(Margarita's)に連れていくからね。元気でいてください。僕が人生を取り戻すために、あなたの助けが必要になるから」

(c)AFP