【8月21日 AFP】サッカー元イングランド代表のポール・ガスコイン(Paul Gascoigne)氏が、イングランドのアマチュアリーグのクラブで現役復帰する可能性が21日、浮上した。

 ガスコイン氏が加入するのは、イングランド南東部ボーンマス(Bournemouth)のサッカー協会が管轄するサンデーリーグ(日曜日に試合を行うアマチュアリーグ)のクラブ、アビーFC(Abbey FC)。同チームの監督を務めるクリス・フォスター(Chris Foster)氏が、本業のタクシー運転手としてガスコイン氏を何度か乗せたことから、加入が実現した。

 47歳のガスコイン氏は、イングランドのニューカッスル(Newcastle United)やトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)、イタリアのラツィオ(SS Lazio)、スコットランドのグラスゴー・レンジャーズ(Glasgow Rangers)などでプレーし、またイングランド代表としては1990年のW杯で準決勝に進出した元スター選手。フォスター氏によれば、会話の中で47歳のガスコイン氏を口説き落とし、獲得にこぎ着けたという。

 トップレベルでのサッカーから引退した後のガスコイン氏は、アルコール依存症や薬物中毒で問題をたびたび起こしている。

 それでも、英通信社プレス・アソシエーション(Press AssociationPA)によれば、アビーFCは同氏の選手登録申請をボーンマスのサッカー協会へ提出したという。

 フォスター氏は現地紙「ボーンマス・デイリー・エコー(Bournemouth Daily Echo)」に対し、「彼を何度か乗せた時に、うちへ来てくれと言ったんだ。笑い飛ばしてはいたけど、ノーとは言わなかったよ」と話した。

「それで、何週間か前にアパートで降ろした時、店へ行ってたばこを買ってきてくれないかと言われたんだ。戻ってきたら家へ上げてもらって、そこで色々と楽しく話した」

「たばこを渡す時、一緒に契約用紙を出したんだ。そうしたらその場で署名してくれたってわけだ。私としてはもう大喜びで、全速力でタクシーへ戻った。14歳みたいにスキップもしたよ」

 アビーFCは、9月7日にリーグ開幕戦を迎える。対戦相手のチームは、かつてマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やACミラン(AC Milan)といったチームにも立ち向かったガスコイン氏を、対戦相手として迎える可能性がある。

 しかしながらフォスター氏は、代表戦47試合出場のガスコイン氏がアビーFCでプレーしてくれるのであれば、いつどこであっても構わないと話している。

「プレーできると本人が感じた時、どこでも好きなところでプレーしてくれたらいい。ゴールの中も含めてね」

「日程表を家に届けると言ってあるし、来たくなったらいつでも迎えに行くと言ってある。出られるのがいつになるかは分からないけどね」

「私としては、全試合に出てほしいよ。全部出られるかもしれないし、1試合かもしれない。いずれにせよ、彼が加わってくれたのは名誉なことさ」

(c)AFP