【8月25日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2014)の欠場はラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)にとっては苦痛となったが、話題になりながらも結果を残せていないミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)、グリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)、錦織圭(Kei Nishikori)にとっては心地のよい知らせとなった。

 四大大会(グランドスラム)をこれまで14度制覇しているナダルは、他の誰よりもこの3選手にとっての宿敵となっている。彼らには、今後男子テニス界でビッグ4の足跡をたどるかような圧倒的な強さをみせる選手になれるのかと、大きな疑問が残されている。

 強力なサーブを持つラオニッチ、ディミトロフはそれぞれ23歳、そして錦織はこの12月に25歳の誕生日を迎える。一方でナダルはこれまで9度優勝した全仏オープンテニス(French Open)の初タイトルを19歳で獲得している。

 ナダル戦で錦織は0勝7敗、ラオニッチとディミトロフはそれぞれ5戦全敗となっている。

 3選手はノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)にも同じように足蹴にされている。

 世界4ランク1位のジョコビッチはラオニッチに3勝0敗、ディミトロフに4勝1敗、錦織とは1勝1敗としている。

 全米オープンで通算18度目のグランドスラム制覇を目指すフェデラーはラオニッチに6戦全勝、ディミトロフに1勝0敗、錦織に2勝2敗の五分。

 ビッグ4の中で唯一優勢なのはマレーとの対戦で、ラオニッチは3勝1敗と勝ち越している。しかしながらマレーはディミトロフと3勝2敗、錦織と3勝0敗の記録を残している。

 ディミトロフは「長い道のりさ。テニスは様変わりしてしまって、若い世代の選手が出てきて、主要大会で勝ち、ツアー大会で連勝するなんてことは本当に難しい。昔ほど簡単じゃ無くなってしまったんだと思う」と語る。

 世界ランク8位につけ、フェデラーとのプレーの類似性と片手のバックハンドの見た目から「ベビー・フェデラー」のニックネームを持つディミトロフは、今季の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2014)で8強入りすると、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2014)では準決勝に進出した。

 しかしながら、全米オープンでは3度の出場すべてで初戦敗退となっている。

「考えるに、ある意味で僕らはそれを心得ている。それでも、自分たちの時代はやってくると信じているよ。それに、全てのことに懸命になっているという自負もある。確かに遅いことは遅い。トップ選手はみんなグランドスラムを22歳、23歳、24歳の頃に優勝しているからね」