イスラム過激派、勧誘や脅迫にソーシャルメディア駆使
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■目的は「恐怖と憎悪の拡散」
ツイッターを利用するイスラム過激派たちは、フォーリー氏の処刑動画公開は「恐怖と脅威、憎悪」を拡散するのが目的の「意図的な戦略」だと明言している。
過激派系アカウント「@KhilafaMedia」は、「#AmessageToAmerica(米国へのメッセージ)」というハッシュタグを付けた英語のツイートで、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が承認したイラク空爆を理由に「イスラム国は全アラブ国家において、非イスラム教徒の米国市民を皆殺しにするだろう」と主張した。
ツイッターや「Ask.fm」といった質問サイトは近年、それまで公の場を避けてきた過激派の主要な活動の場となっている。過激派はまた、注目を集めるため「#Hawaii」や「#Ferguson」といったハッシュタグさえも使っている。
米ノースイースタン大学(Northeastern University)政で政治学を教えるマックス・エイブラムス(Max Abrahms)氏は「テロリズムとは、定義上はまさにコミュニケーション戦略の一つだ」と指摘した上で、イスラム過激派がソーシャルメディアを利用すること自体は現代において「何ら驚きではない」と述べている。
だが同氏によれば、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)などに比べ、ISはソーシャルメディアを非常によく使いこなしている。その背景には、多くが欧米で教育を受けた若手構成員の存在があるという。
「こうした欧米出身者は、ソーシャルメディアでのアピール方法をよく知っている上、英語力も高く、情報伝達役として優れている」(エイブラムス氏)