【8月21日 AFP】ネアンデルタール人は数千年にわたって欧州で現生人類と共存した後、今から4万年前に絶滅したとする研究論文が、20日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。論文は、この共存期間について、文化的交流や交配が行われるのに「十分な時間」だったとしている。

 英オックスフォード大学(Oxford University)のトーマス・ヒッガム(Thomas Higham)氏率いる研究チームが発表した論文によると、2つのグループが緊密に共生していたという証拠は存在しないものの、地域によって25世代から250世代は確かに共存していたという。

 研究チームは最新の年代測定技術を用いて、ロシアからスペインまでの国々にある考古学的遺跡40か所から発掘された骨、炭、貝殻などのサンプル約200個の年代を測定。「結果、2600年~5400年間の重なりを示していた」と述べた。

 報道声明によると、これは「相互交流と交配を行うには十分な時間」だという。

■徐々に姿を消していったネアンデルタール人

 現生人類の近縁種、ネアンデルタール人が地球上から姿を消した時期の特定を試みた今回の研究で、研究チームは、ネアンデルタール人が一挙に現生人類に取って代わられたのではなく、欧州の地域によって異なる時期に姿を消したことを明らかにした。

 ネアンデルタール人がいつ、なぜ、どのようにして絶滅し、現生人類に取って代わられたかという疑問については、長年にわたって科学者らを悩ませてきた。一部の説では、絶滅はずっと後の時代に起きたとされている。

 アフリカで発生した解剖学的現生人類は、今から5万年~3万年前に欧州に到達し、そこにはネアンデルタール人と出合った。両者の短期間の交流は、今日の非アフリカ系現生人類に全体の約1.5~2.1%にあたるネアンデルタール人由来のDNAをもたらした。

 6年にわたり行われた今回の最新研究によると、4万5000年前の欧州はネアンデルタール人が大部分を占めており、その所々に現生人類の小グループが存在するという状況だったとされる。

 このバランスはその後の5000年間で変化し、最終的にネアンデルタール人は絶滅に至ったと論文は結論付けた。

 ネアンデルタール人から現生人類への移行は突如として起きたのではなく「数千年間続いた生物学的および文化的なモザイク状態を特徴とする」漸進的な変化があったと思われる、と研究チームは記している。(c)AFP