【8月18日 AFP】イラクのクルド人治安部隊は17日、米軍による空爆の支援を受け、イラク北部モスル(Mosul)郊外にある同国最大のダムを、イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」から奪還した。ISが6月初めに大規模な攻撃を開始して以降、治安部隊側が収めた最大の勝利となった。

 ISは8月初めにモスル市の東方や西方、北方で攻勢を再開し、同月7日にダムを制圧していた。イラク北部クルド人自治政府の治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)は、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が先週命じた米軍による空爆の支援を受け、同地域で失地回復のための戦闘を続けている。

 イラクの主要クルド人政党に所属するアリ・アウニ(Ali Awni)氏はAFPの取材に「モスルダムは完全に解放された」と語った。ダム奪還は別の政党の関係者と、クルド人治安部隊関係者も確認。イラク軍高官はAFPに対し、ダムでの戦闘は収束したが、周辺地域の一部はISの戦闘員らが設置した爆弾によって立ち入れない状態となっていると語った。

 米中央軍(US Central Command)の報告によると、米軍は17日、ダム付近で14回の空爆を実施し、ISの武装車両10台と軍用車ハンビー(Humvee)7台、装甲兵員輸送車2台とISの検問所1か所を破壊した。(c)AFP/ Serene ASSIR