【8月16日 AFP】殺傷能力の高いアサルトライフル、装甲車の上から警備にあたる迷彩服の警察官──。米中西部ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)郡ファーガソン(Ferguson)で起きた騒乱は、必要以上に軍事化しつつある米国の警察機関の問題を浮き彫りにした。

 丸腰の黒人青年マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(18)が郡の警察官に射殺されたのは今月9日。警察に抗議するデモが爆発的に広がり、事態は悪化の一途をたどった。

 今回、国民の多くを不安にさせているのは警察の過剰反応だ。

 ファーガソンの暴動では、これまでも使われてきた催涙ガスが使われただけでなく、警察は防弾チョッキを着用し、M4カービンとスタングレネード(殺傷力のない手投げ弾)を手にした部隊を配置した。

 ある写真は、戦闘服を着た警察官が、装甲車の上に座ってスナイパーライフル(狙撃銃)に指をかけている様子を写している。この写真はインターネット上で爆発的に広まった。

 13日には、抗議デモを報道していた複数のジャーナリストが拘束され、欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)が報道関係者に対する「威嚇」だとして強く非難。バラク・オバマ(Barack Obama)大統領も14日、「警察に対する暴力は許されないが、治安当局による過剰な実力行使も正当化されない」と発言し、事態の沈静化を図った。