【8月14日 AFP】米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が、インターネット通信を分析することにより敵からのサイバー攻撃を検知し、自動的に反撃するプログラムを開発していることが、NSA元職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が流出させた機密文書によって明らかになった。

「モンスターマインド(MonsterMind)」と呼ばれるこのプログラムの存在は、米誌ワイヤード(Wired)がスノーデン元職員に行った一連のインタビューをまとめた13日の記事の中で明らかにされた。

 流出文書の一部を調査した同誌によると、同プログラムは、外国からのサイバー攻撃の初期段階を探知することを自動化するものだという。

 スノーデン元職員は同誌に対し、サイバー攻撃はしばしば無関係の国のコンピューターを経由して行われ、攻撃元を偽ることが可能なことを理由に、同プログラムに懸念を抱いていると語っている。「例えば、中国にいる誰かが、ロシアを発信源とするこういった攻撃を装うことも考えられる。するとわれわれ(米国)は、ロシアの病院に対し反撃を仕掛けることになってしまうかもしれない。そうすると次に何が起こるだろうか?」(スノーデン元職員)

 スノーデン元職員はまた、このプログラムが事実上、米国内の人々に向けた海外からの民間通信の全てにアクセスする必要があることから、プライバシーへの脅威となるとの見解も示している。

 スノーデン元職員はさらに同誌とのインタビューの中で、勤務していたハワイ(Hawaii)のオフィスから機密文書を持って香港(Hong Kong)に向かうことを決断した最終的なきっかけは、2013年3月にジェームズ・クラッパー(James Clapper)国家情報長官が上院での公聴会で、NSAが数百万人の米国市民に関する情報収集を「故意に行っていたわけではない」と証言したことだったとも明らかにしている。スノーデン元職員はクラッパー長官の不誠実な証言に憤慨し、機密情報の暴露を決めたという。(c)AFP