【8月4日 AFP】北大西洋にあるデンマーク自治領フェロー諸島(Faroe Islands)で毎年行われ、活動家らが「時代遅れの大量殺りく」と非難しているゴンドウクジラ漁を阻止するため、世界各地の著名人や動物愛護活動家たちが同諸島に続々と集結している。

 数日前に現地入りしたカナダ出身の女優パメラ・アンダーソン(Pamela Anderson)さんは、ボランティアたち500人と共に同諸島沖や浜辺を見回り、地元で「グラインド」と呼ばれるゴンドウクジラ漁阻止にあたる予定だ。

 さらにフランスからも著名バレエダンサー、シルビー・ギエム(Sylvie Guillem)さん(49)や海洋冒険家フローレンス・アルトー(Florence Arthaud)さんらが、反捕鯨団体シー・シェパード(Sea Shepherd)が主導する活動「Operation GrindStop(グラインド阻止作戦)」に加わる。

 同活動は、マイルカ科属のゴンドウクジラ1000匹以上をグラインド漁から救うことが目的。グラインド漁は、クジラを小型ボートの船団で入り江に追い込み鎌や刃物で殺す手法だ。地元住民たちは伝統文化としての権利を主張しているが、シー・シェパードは「残虐かつ時代遅れの大量殺りくだ」と非難している。

 活動家らは、かつてはフェロー諸島で食料源としてクジラ漁が必要だった時代もあったが、もはやその必要はなくなっていると主張している。

 シー・シェパードは、フェロー諸島での「昔から最も残ぎゃくな漁シーズン」と称する6~10月の期間中ゴンドウクジラ漁阻止を続けると宣言。いかなるクジラ漁もボランティアたちが「陸、海、空」からの「直接行動」で阻止すると、ウェブサイト上で言明している。(c)AFP/Ariane PICARD