【7月28日 AFP】リビアの首都トリポリ(Tripoli)の空港周辺で続く武装勢力間の戦闘により、ここ2週間で97人が死亡、400人以上が負傷した。同国の保健省が27日、発表した。戦闘が急速に激化する中、エジプトと西側諸国の各政府は自国民に対しリビアからの退去を勧告している。

 軍と医療当局が27日に伝えたところによると、これとは別に東部のベンガジ(Benghazi)市では、政府軍とイスラム武装集団との24時間にわたる戦闘で、兵士ら38人が死亡した。

 トリポリの武力衝突は、過去3年間空港を支配・管理していたリベラル派民兵組織「ジンタン(Zintan)旅団」を、イスラム勢力を中心とする武装グループの連合体が襲撃したことから始まった。この連合体は以降、リビア第三の都市ミスラタ(Misrata)の武装勢力の支援も受けている。

 エジプト外務省の報道官はAFPの取材に対し、トリポリで26日にグラート(Grad)ロケットが民家に着弾して23人が死亡したと述べた。死者にはエジプト人が含まれるが、正確な人数は不明という。

 トリポリ国際空港の支配をめぐって争う武装勢力の激しい戦闘のため、米国は26日に在リビア大使館の全職員を国外退避させた。これに続き、ドイツと英国、エジプトの各政府も自国民の退去を勧告。ベルギー、マルタ、スペイン、トルコはそれ以前から退去を勧告している。(c)AFP/Imed LAMLOUM