【7月21日 AFP】2014ツール・ド・フランス(2014 Tour de France)は20日、第15ステージ(タリアールからニーム、222キロメートル)が行われ、カチューシャ・チーム(Katusha Team)のアレクサンダー・クリストフ(Alexander Kristoff、ノルウェー)が今大会ステージ2勝目を挙げた。

 ガーミン・シャープ(Garmin Sharp)のジャック・バウアー(Jack Bauer、ニュージーランド)が222キロメートルにわたり先頭で逃げていたが、残り100メートルで吸収され、最後はクリストフが今大会3番目に長いレースを制した。

 バウアーとイアム・サイクリング(IAM Cycling)のマルティン・エルミガー(Martin Elmiger、スイス)は、序盤からアタックを仕掛け、開始からおよそ9分後の26キロメートル過ぎにはレースをリードしていたが、その差は徐々に詰められていった。

 バウアーとエルミガーは、レース残り1キロメートルを切った時点で後続集団に12秒差をつけていたが、先にエルミガーが力尽きると、バウアーは最後まで戦ったものの、残り100メートルで集団に吸収された。

 最終的にステージを10位で終えたあと、泣き崩れた29歳のバウアーは、「つらいし、ひどく失望している。ツールのステージで勝つことは子どもの頃からの夢だった」とコメントした。

「今日の条件は僕にとって絶好のチャンスだったし、マルティンも今日は僕たちに勝つ可能性があると分かっていた」

「僕は疲れているようにみせて体力を温存していたけれど、残り400メートルまでに使い果たしていた。まだ力は残っていると思っていたけれど、残り50メートルで限界を感じたよ」

 17日に行われた第12ステージ以来の優勝を果たしたクリストフは、ジャイアント・シマノ(Giant-Shimano)のマルセル・キッテル(Marcel Kittel、ドイツ)とロット・ベリソル・チーム(Lotto Belisol Team)のアンドレ・グライペル(Andre Greipel、ドイツ)にスプリント勝負で勝てるとは思っていなかったと明らかにした。

 グライペルはステージ4位、キッテルは同11位に終わっている。

 クリストフは「ステージに勝ちたいと願っていたけれど、今日のレースでキッテルとグライペルに勝てるとは思ってもいなかったから本当にうれしいよ」と語った。

「今回のツールでステージを2回勝てるなんて考えてもみなかった。1勝はできると期待していたが、今は期待以上の2勝を挙げている」

 イアム・サイクリングのハインリッヒ・ハウッスラー(Heinrich Haussler、オーストリア)がステージ2位に、キャノンデール・プロ(Cannondale Pro)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)が同3位に入った。

 今大会ここまでステージ4位以内8回、トップ10入り9回を記録しているサガンだが、ステージ優勝は一度もない。

 アスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)は、タイム差なしでフィニッシュし、モビスター・チーム(Movistar Team)のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)との4分37秒差を維持しながら総合首位の座を守った。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN