【7月20日 AFP】ウクライナ政府は19日、マレーシア航空(Malaysia AirlinesMH17便の墜落現場に残された証拠の隠滅を図る親露派を手助けしているとして、ロシアを非難した。同機の墜落をめぐり、ロシア政府は世界中から非難を浴びている。

 乗客乗員298人を乗せてオランダ・アムステルダム(Amsterdam)からマレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)に向かう途中、ウクライナ東部に墜落した同機の調査は難航している。

 ロシア政府の外交的な支援を受けている親露派は、調査に協力する姿勢をほとんど見せていない。怒りを募らせた各国首脳は全面的に協力するようロシアに求めている。

 同日、墜落現場に赴いた国際監視団は、自動小銃を持った武装勢力に阻まれ、現場の周辺部までしか立ち入りを許されなかった。その辺りでは原型をとどめず、腐敗も始まった犠牲者の遺体が揺れるヒマワリに隠されるように散乱していた。

 墜落現場では欧米諸国とロシアによる冷戦時代のような対立が生まれている。ウクライナの将来をめぐり孤立を深めるロシアは、その外交的手腕を世界中から疑問視されている。

 ウクライナ政府は怒りに満ちた声明を発表。「ロシアが支援するテロリストたちは、この国際的犯罪の証拠を破壊しようとしている」と糾弾し、武装勢力は数時間のうちに重要な証拠をトラックに積み込んで専門家チームによる広域にわたる現場の調査が行われる前にロシアに運ぼうとしているという見方を示した。(c)AFP/Marion THIBAUT and Dmitry ZAKS in Kiev