【7月17日 AFP】オーストラリア上院は17日、同国で政治論争の的になってきた炭素税を廃止する法案を、39対32の賛成多数で可決した。昨年の総選挙で炭素税廃止を掲げた保守連合(自由党、国民党)政権が勝利した形だ。

 同国は、前労働党政権による二酸化炭素(CO2)排出削減策として、排出量の多い大手企業などに2012年から炭層税を課してきた。だがトニー・アボット(Tony Abbott)豪首相は昨年9月の総選挙の際に、労働党政権が導入した炭素税のコストは消費者に転嫁され、その結果、公共料金の値上げにつながっているとして、炭素税廃止を公約に掲げていた。

 ここ数日は、炭素税撤廃への支持を先週土壇場になって撤回し政府を当惑させた小政党「パーマー連合党(Palmer United Party)」との駆け引きが長引いていた。しかし豪鉱業界の富豪で同党を率いるクライブ・パーマー(Clive Palmer)党首が原案から譲歩を引き出し、炭素税廃止分を電気・ガス料金の引き下げとして消費者や企業に還元することを盛り込んだ修正案は支持を受け、可決された。(c)AFP