【7月16日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は15日、エジプトが提案した停戦に応じず、引き続き数十発のロケット弾をイスラエル領内に向けて発射、イスラエル側に初の犠牲者が出た。これを受けて停戦提案を受け入れていたイスラエル側も、停戦案の発効予定時刻からわずか6時間後にガザへの激しい空爆を再開した。

 再び始まった空爆で、さらにパレスチナ人2人が死亡。医療関係者によると、これまで8日間の軍事行動によるパレスチナ側の死者数は194人に上ったという。

 イスラエル軍の発表によると、ガザ地区北部へつながるエレツ(Erez)検問所に向けて発射されたロケット攻撃でイスラエル人男性(38)が死亡したという。イスラエル緊急対策当局の報道官はAFPに対し、男性はエレツ付近に駐屯する兵士らに食べ物を配送するためにやって来た民間人だったと明かした。

 これまでにイスラエル領内に向けて発射されたロケット弾の数は1000発近くに上っており、同男性がイスラエル人初の犠牲者となった。この他、4人のイスラエル人が重傷を負っている。

 イスラエル政府は15日朝開いた治安閣議で、エジプト政府が提示した15日午前9時(日本時間同日午後3時)に発効するという停戦案の受け入れを決めた。一方ハマス側は、同案に関して一切打診されておらず、イスラエルの譲歩を含む十分な取り決めでない限り停戦は受け入れられないとしていた。(c)AFP/Hazel WARD