【7月10日 AFP】米IBMは9日、今後5年間で30億ドル(約3000億円)を投資して、需要が拡大している「ビッグデータ」や「クラウド」に対応するコンピューターチップの技術開発を進めると発表した。

 米ニューヨーク(New York)に本社を置くコンピューター技術の老舗IBMは、シリコンを使った従来のコンピューターチップからの転換を図っており、性能を向上しつつサイズを分子レベルまで小型化できる新素材と技術の開発を目指している。

 具体的には、カーボン・ナノエレクトロニクスやシリコン・フォトニクス、新型メモリー技術、量子コンピューターや認知コンピューティングといった分野の研究開発に資金を投じる計画だ。

 現代のインターネット社会では、データセンターを介してクラウドで提供されるサービスやプログラムは増加の一途をたどっており、企業もオンライン上にあふれる膨大な量のデータを取り出して迅速に分析することに意欲的だ。だが、IBMによればコンピューターチップの技術は、処理速度やサイズ、電力効率などの改善にもかからわず、頭打ちしている状態という。(c)AFP