【7月12日 Relaxnews】米アップル(Apple)社のiOS向けに、ユーザーネームすら絵文字しか使えないアプリ「エモージリー(Emojli)」がまもなく登場する。

 トム・スコット(Tom Scott)さんとマット・グレイ(Matt Grey)さんが考案した、ソーシャルネット上のコミュニケーション・スタイルとして絵文字以外は全く使用しないというアイデアは、それほど奇抜な話ではない。絵文字はもともと悪ふざけの文字表現として発達したが、今では英語とほとんど変わらないほど豊かな語彙(ごい)を持つ「言葉」に進化した。先月だけで、中指を立てるしぐさや、指を離して行うバルカン(Vulcan)式敬礼などを表す絵文字が、新たに250個もボキャブラリーリストに加えられた。

 英語などの書き言葉や話し言葉と違って、微笑みを表す絵文字は微笑む顔に似せて作られるように、絵文字は世界中どこでも意味が通用する。また、ソーシャルネットワークが広く普及し、「LINE(ライン)」や「WhatsApp(ワッツアップ)」などのメッセージングサービスがスマートフォンでどこでもアクセス可能になる中、絵文字を交ぜないと更新や投稿、メールの作成が成り立たないほどの状況になっている。

 創業者の一人であるスコットさんは、「マットと私がこのアイデアを思いついたとき、実現させないとほかの誰かがやってしまうと考えたんだ。最初はそんなに熱心ではなかったんだけど、ユーザーネームまでも絵文字にするというアイデアが浮かんだ時、僕たち2人は爆笑してアプリを作成することに決めたよ」

 皮肉交じりのお遊びなどではなく、2人は一見悪ふざけのようなこのアプリの作成に真剣に取り組んだ。2人が制作したプロモーションビデオでは、「従来のソーシャルネットワーク上で頻繁に出現するスパムメールや挑発的な投稿、さらにインターネット・ミームやハッシュタグなどから逃れたい人にとって、エモージリーは安息の地となるだろう。その理由の一つとして、ユニコード(Unicode)の規格に従って作成された絵文字は、登録されている画像の数という制約のおかげで、スパムになり得ないからだ。最悪のメッセージをインターネット上で発信しえたとしても、それはうんちの山か、先述した中指を立てるしぐさを表す絵文字だろう」と語っている。

 先月30日には、エモージリーの紹介サイトが開設されると同時に、マイクロブログのツイッター(Twitter)上に公式アカウントが登場し、既に1万人もの会員たちを集めた。ツイッター初期に登録したユーザーと同じように、会員たちは自分のユーザーネームのアイコンがたったの1個であることを自慢できるだろう。

 エモージリーのサービスはまもなく開始されるが、その前にプロモーションビデオをチェックしたり、ユーザーネーム用の絵文字を予約しておいたりしておいてはいかがだろう?もしあなたが望んでいた絵文字が予約済みだったとしても、パニックになる必要はない。なぜなら、ユーザーネームとして用いられる2個の絵文字の組み合わせパターンが、あと25万種類も残っているのだから。

 動画はhttp://www.youtube.com/watch?v=iyybPvRsEuYで見ることができる。(c)Relaxnews/AFPBB News