【7月9日 AFP】ヌードのギリシャ神をあしらったロシアの100ルーブル紙幣について、同国の国会議員が8日、描かれた小さな男性器がポルノ的で子どもに悪影響を及ぼすとして、デザインの変更を訴えた。

 約300円の価値がある100ルーブル紙幣は広く出回っており、図柄にはモスクワ(Moscow)の有名なボリショイ劇場(Bolshoi Theatre)の屋根付き玄関の上で、性器の一部をマントの下からちらりとのぞかせるアポロ(Apollo)像が描かれている。

 極右民族主義を掲げる自由民主党(Liberal Democratic Party)のラマン・クジコフ(Roman Khudyakov)議員は、ロシア連邦中央銀行(Bank of Russia)に同紙幣のデザインを変えるよう要求する書簡を送ったことを明らかにした。

 クジコフ氏はAFPの取材に対し、「裸のアポロが描かれている100ルーブル札を取り替えるよう、中央銀行に正式に申し入れた」と言明し、絵を見てくすくす笑う児童を見たことで、同紙幣の成人向け内容に気付いたと付け加えた。

 クジコフ氏によると、紙幣に描かれているアポロ像の実物は、2011年のボリショイ劇場の本館改修時に、男性器がイチジクの葉で隠されていた。

 同氏は対案として、3月にロシアが編入したクリミア(Crimea)半島の主要都市セバストポリ(Sevastopol)の絵と取り替えるよう提案している。

 だが、1990年代後半から流通している同紙幣の図柄をめぐる批判は、一部では冷笑をもって受け止められている。(c)AFP