【7月9日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)は8日、ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)で準決勝が行われ、ドイツが7-1でブラジルを退け、決勝に進出した。

 ブラジルサッカー史上最悪のスコアで敗れた開催国のW杯制覇の夢は、ドイツの猛攻により粉々に砕け散った。

 自国開催の決勝で敗れ、国中が悲嘆に暮れた1950年大会から64年後、あらゆる点で当時の「マラカナッソ(マラカナンの悲劇)」と肩を並べるレベルのトラウマを背負うことになる大敗に、ブラジルは心を引き裂かれた。

 6分間で4得点を記録するなど、前半だけで試合を決定づけたドイツは、13日にマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)で行われる決勝に駒を進めた。

 前半11分にドイツは、コーナーキックからブラジルのマークを外してフリーになったトーマス・ミュラー(Thomas Muller)が先制点を奪うと、不必要な警告を受けて出場停止になった主将のチアゴ・シウバ(Thiago Silva)を欠くブラジルに立ち直る暇を与えなかった。

 ドイツは同23分にミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)がW杯歴代最多得点記録を更新する通算16得点目を挙げてゴールラッシュの口火を切ると、24分と26分にトニ・クロース(Toni Kroos)が、さらに29分にはサミ・ケディラ(Sami Khedira)がブラジルにとって致命的な5得点目を奪った。

 ブラジルサポーターで埋まった会場のミネイロン(Estadio Mineirao)は、開始30分で完全に沈黙し、多くのサポーターはまるで目の前で起きたことの重大さを理解しようと苦しんでいるように一斉に泣き出した。

 ブラジルが5失点目を喫したあと、ハーフタイムを前に数百人のサポーターが高額を支払って手にした座席を立ち、ブラジル国中でテレビ観戦していたファンはテレビに向かって叫び、パブリックビューイングには人影がなくなった。

 ブラジルは後半立ち上がりに攻勢に出たが得点は奪えず、24分にはドイツのアンドレ・シュールレ(Andre Schuerrle)が6得点目を決めると、ミネイロンにはブラジルサポーターのブーイングとドイツサポーターの祝福が鳴り響いた。

 さらに同34分にまたもシュールレが決めて7-0となり、1920年にウルグアイに6-0で敗れて以来となるブラジルサッカー史上最悪の大敗が確定すると、ブラジルサポーターからドイツの素晴らしい攻撃サッカーに対して拍手が起きた。

 しかし、試合終了間際にブラジルがオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)のゴールで一矢報いたものの、その時はほとんど拍手も起きなかった。(c)AFP