【7月8日 AFP】1930年代に英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)在学中の学生が旧ソ連のスパイとなった「ケンブリッジ5人組」のうちの2人が、旧ソ連の国家保安委員会(KGB)から、秘密を守ることができない絶望的な酒浸りとみなされていたことが、7日に公開された文書によって明らかになった。

 文書はイングランド(England)東部ケンブリッジ(Cambridge)の「チャーチル文書記録センター(Churchill Archive CentreCAC)」が20年にわたり秘密の場所に所蔵していた「ミトロヒン文書(Mitrokhin Archive)」の一部。1972年からKGB情報員を務めた故ワシーリー・ミトロヒン(Vasili Mitrokhin)氏は、84年に引退した後、92年に数千件に上る内部文書のコピーと共に英国に亡命した。

 公開された文書には、第2次世界大戦(World War II)から少なくとも1950年代の冷戦時代までに英国の情報を旧ソ連に流し続けたケンブリッジ5人組の詳細が記されていた。

 5人組の一人、ガイ・バージェス(Guy Burgess)は、「常に酒に酔っている」人物とされ、「パブを出た後に外務省から持ち出した文書の1つを道に落としたこともあった」(同センター職員)と、スパイ行為をあわや露呈するところだったエピソードも記されていた。

 またもう一人のドナルド・デュアート・マクリーン(Donald Duart Maclean)は、「秘密を守るのが下手」「常に酒浸り」とされ、酔った際にソ連のスパイであることを交際相手の一人や兄弟にばらしたと書かれている。(c)AFP/Robin MILLARD