■目の不自由なファンが知らないこと

 視覚障害者のための音声システムは、ポーランドとウクライナが共催した2012年の欧州選手権(UEFA Euro 2012)で試験的に導入され、成功を収めている。ブラジルでは今後、国内リーグでも同サービスの導入を検討しているという。

「(目の不自由な)ファンが知らないこともたくさんある」とバターさんは言う。「最近あるグループをピッチの上に連れて行ったんだ。彼らは、控え選手のためのベンチがあるのを知って驚いていていた。バスの座席みたいだけど、もっと快適だって喜んでいたよ」

 ボールの位置は、常に伝えなくてはならない。試合を通して休む間はない。「疲れるし、張り詰めっぱなしだ。息をしている時間さえないよ」

 スタジアムで放送を聞いていたモイラ・ブラガさん(35)は「これがもっと広まってくれたらいいなと思う」とコメントし、「今の夢は、私の好きなクラブチーム、ボタフォゴ(Botafogo)の試合でこのシステムが利用できること」と続けた。(c)AFP/Alexandre GROSBOIS, Laurent THOMET