【7月4日 AFP】米国で、1歳10か月の息子を高温の車内に7時間放置し死亡させた男が、殺人容疑で訴追された。有罪の場合、死刑となる可能性がある。

 ジャスティン・ロス・ハリス(Justin Ross Harris)容疑者(33)には、米南部ジョージア(Georgia)州の勤め先で仕事をしている間、息子のクーパーちゃんを車の後部座席にシートベルトで留めたまま置き去りにしたとして、児童虐待と重罪謀殺の容疑が掛けられている。3日の予備審問では、保釈請求は却下された。

 この衝撃的な事件は米国全土で広く話題を呼び、予備審問は全米の放送網によって生中継された。

 ハリス容疑者は、子どもを託児所に預けるつもりが、そのまま忘れて仕事に行ってしまい、退社後に車を運転し始めて数分経って初めてクーパーちゃんが死んでいることに気付いたため、車を止めて助けを呼んだと主張している。

 これに対し、フランク・コック(Frank Cox)判事は「子どもが死亡し、すでに死後硬直が始まり、車内には死臭が充満していたとの証言もあるのに、車に乗ってしばらくするまで自分の子どもの状態を確認する行動をまったく取らなかった」ことは不可解だと指摘。

 さらに警察によると、ハリス容疑者は自分の息子が車内の高温で死に瀕している間、職場から6人の女性と性的なメールをやりとりしていたという。このうち最も若い女性は17歳だった。

 また調べによると、ハリス容疑者は事件が起きた6月18日以前、インターネットで子どもがいない暮らしや、刑務所での生活を切り抜く方法などについて検索した他、炎天下の車内で動物が死んでいくビデオを複数閲覧したことが明らかになっている。

 担当刑事は、子どもが死んだと知らされたとき、ハリス容疑者も妻のリアーナさんも何も反応しなかったと述べている。だが一方で、ハリス容疑者は子どもを溺愛していたという複数の証言もある。(c)AFP