【7月2日 AFP】欧米の支持を受けているウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領が、10日間の一時停戦を延長させようと欧州が奔走したにもかかわらず停戦終了を宣言したことを受けて、ウクライナ政府軍は1日、戦車や戦闘爆撃機を出動させ、親ロシア派武装勢力に対する攻撃を再開した。

 過去20年近くの欧州で最悪の安全保障上の危機を迎えているウクライナが全面的な戦闘状態に逆戻りしたことを受けて、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は直ちに強い怒りの声を上げ、国際社会も、戦略上重要な旧ソ連構成国であるウクライナ情勢の安定化に向けて改めて動き出した。

 ウクライナ国防省の報道官は、同国東部の工業地帯で「大規模な砲撃と空爆を開始した」と発表。同域の人口約700万人のうち大半がロシア語話者で、新政権に不信感を抱いているとされる。

 攻撃再開を受けてロシアは直ちに「極めて遺憾」と発表。またフランス外相は、ほぼ3か月に及び450人以上の死者を出している衝突に永続的な解決策を見出すため、欧米諸国はたゆみない努力を続けていくと誓った。

 今後も犠牲者が出ればその責任を負うのはポロシェンコ氏だと断じたプーチン露大統領は、隣国ウクライナで「急速に悪化している」事態について協議するため、安全保障問題の側近らを招集した。(c)AFP/Max Delany with Dmitry ZAKS in Kiev and Anna SMOLCHENKO in Moscow