■暑さの中で際立った逆転勝利

 オランダの逆転劇は、蒸し暑いフォルタレーザ(Fortaleza)での厳しい試合だったことを考えると、一層その価値が際立つ。この試合ではW杯史上初めて、前後半の30分過ぎに給水タイムが設けられた。

 カイトは、「(後半は)日陰でプレーをしはじめたのに、監督はまた太陽の当たる反対サイドにポジションを代えたんだ」と冗談めかした。

「厳しかったけれど、前に進み続けなきゃならない」

 ファン・ハール監督も、逆転勝利をつかんだ選手たちの不屈の精神と強靭な肉体をたたえている。

 大会終了後、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の監督に就任することが内定している指揮官は「選手は最後の一瞬まで、忠誠と信念を示してくれた」と話した。

「この蒸し暑さはわれわれの得意とする環境ではない。にもかかわらず、われわれは最後の1分まで、メキシコよりもフレッシュで状態が良かったのは見ての通りだ。そのことについて、選手は大いにたたえられるべきだろう」

「信念を持っていただけでなく、肉体的にもこの試合に向けて良い準備ができていた。そのことが、前へ出る大きな自信につながったことは間違いない」

 それでも監督は、給水タイムが設けられたおかげで、普段よりも戦術変更がしやすかったことを認めた。

「休憩時間があると助かるのは事実だ。4-3-3へ切り替えた途端に数多くチャンスを作れたからね。特にGKのギジェルモ・オチョア(Guillermo Ochoa)に防がれた場面は惜しかった」

「あの後プランBに変更したし、変更は休憩時間中に行った。ああいった時間を活用するのが賢明というものだ」

(c)AFP/Kieran CANNING