【6月30日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)決勝トーナメント1回戦で、低調なプレーでチリに苦しめられながらも何とか8強入りしたブラジル代表について、一夜明けたブラジル国内の各紙は、PK戦で活躍を見せたGKジュリオ・セザール(Julio Cesar)を英雄視する一方で、試合内容には改善の余地ありと報じた。

 ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)で行われたチリ戦で、心臓が止まるような思いをしながらも、かろうじて敗退を免れた代表について、国内各紙はPKを2本止めたジュリオ・セザールを1面でたたえる一方で、「ビッグ・フィル」ことルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督とそのチームについては、コラムニストが辛辣な評価を下した。

 グロボ(O Globo)紙は「ジュリオ・セザールがブラジルを救う」とした一方で、チームについてはスポーツ面で「中盤と司令塔を欠いた」と評した。

 コラムニストのフェルナンド・カラザンス(Fernando Calazans)氏は、「チームは再構築の必要がある。中盤がなければ、良いプレーはおろか、プレーすることすらできない」と述べている。

 フォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)紙は1面で「ブラジル、ジュリオ・セザールとゴールポストに救われ母国での屈辱を免れる」と報じた。ブラジルはチリの最後のキッカー、ゴンサロ・ハラ(Gonzalo Jara)がシュートをポストに当てて失敗したことで、勝利をつかんだ。

 同紙はいくつかのコラムでチームのプレーを批判し、「チリ戦はビッグ・フィルのチームにとって最低の試合だったが、GKのおかげでPK戦を制し、準々決勝に勝ち進んだ」と述べている。

 国内で最も記事が読まれているコラムニストの一人、ジュカ・クフォウリ(Juca Kfouri)氏は、試合はジュリオ・セザールにとっての「贖罪(しょくざい)」の場になったと書いた。セザールは4年前の南アフリカ大会、敗戦した準々決勝のオランダ戦でのプレーが大きな批判の的になっていた。

 日刊紙ランセ(Lance)は34歳の守護神の巨大な写真を載せて「セザール万歳」と見出しを打った。

 しかしエスタド・ジ・サンパウロ(O Estado de Sao Paulo)紙は、スポーツ面で「ブラジルは生き残ったが、課題は多い」と報じた。

 コラムニストのアルミール・レイテ(Almir Leite)氏は「準々決勝では改善しなくてはならない。大きく」と評した。(c)AFP