【6月26日 AFP】インターネット検索大手の米グーグル(Google)は25日、同社の基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」をスマートフォン(多機能携帯電話)のみならず自動車や時計、テレビに対応させる方針を発表した。

 グーグルのアンドロイドとウェブブラウザ「Chrome(クローム)」担当チームの責任者サンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏は、米サンフランシスコ(San Francisco)で開幕した開発者会議「Google I/O」の基調講演で「われわれのプラットホームを携帯端末を超えるものに進化させようとしている」と語った。

 ピチャイ氏によるとグーグルの目標は、生活の中にあるネットに接続した多種多様な画面にアプリケーションやサービス、デジタルコンテンツをシームレスに届けるための基盤を同社のソフトウエアが提供することだ。

■アンドロイド「Wear」「Auto」「TV」

 ピチャイ氏はまた、グーグルのオンラインストア「グーグルプレイ(Google Play)」で、スマートウオッチ(多機能時計型端末)などのウエアラブル端末向けの「Android Wear(アンドロイド・ウエア)」を搭載した、韓国のLG電子(LG Electronics)の新型「Gウオッチ(G Watch)」と新たに発表されたサムスン電子(Samsung Electronics)の「ギアライブ(Gear Live)」が現地時間25日中に発売されることも発表した。

 さらに車載向けの「アンドロイド・オート(Android Auto)」はすでに複数の自動車メーカーと共有されており、グーグルによれば年内にはアンドロイドオート搭載車両が登場する見込み。

 新設のIT・自動車メーカーの業界団体「オープン・オートモーティブ・アライアンス(Open Automotive AllianceOAA)」によると、アンドロイドオートは「ドライブ用に設計されたインターフェース」でグーグルの無料地図サービス「グーグルマップ(Google Maps)」や音楽配信サービス「Spotify」などのアプリを提供する。

 さらにグーグルはスマートテレビ(多機能テレビ)向けの「アンドロイドTV(Android TV)」を発表。テレビについては「携帯電話やタブレット端末と同じレベルの注目を向ける」とアンドロイドの技術責任者デーブ・バーク(Dave Burke)氏は語った。

 アンドロイドTVでは、アンドロイド搭載スマートフォンの音声操作機能を使ってテレビ画面で検索などを行うことができる。またグーグルプレイで入手したアンドロイド用ゲームをテレビ画面で遊ぶことも可能という。

■グーグル帝国の拡張

「グーグル帝国は拡張しようとしている」と、米調査会社ガートナー(Gartner)の消費者向け技術の調査責任者ブライアン・ブラウ(Brian Blau)氏はAFPの取材に語った。

「グーグルはアップル(Apple)のようになろうとしている。つまり、連携し合う機器群でより一貫した体験を生み出そうとしている」とブラウ氏は述べ、「これは長期的にグーグルに役立つだろう」と語った。(c)AFP/Glenn CHAPMAN