【6月26日 AFP】サッカーウルグアイ代表のルイス・スアレス(Luis Suarez)が、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)のイタリア戦で相手選手にかみついたことが話題になる中、スポーツ心理学の専門家は英国放送協会(BBC)に対し、同選手のかみつき癖は、恵まれない幼少時代の経験に根ざしている可能性があると語っている。

 イングランド・プレミアリーグのリバプールFC(Liverpool FC)に所属する27歳のスアレスは、24日のイタリア戦でジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)の肩にかみついたとみられている。スアレスは過去にも2度、かみつき行為による長期間の出場停止処分を科されている。

 今回のかみつき疑惑については、国際サッカー連盟(FIFA)が調査に乗り出しており、事実が確認されれば、最大で24試合の出場停止処分が言い渡される可能性もある。

 スアレスのかみつき癖について、英サルフォード大学(Salford University)のトム・フォーセット(Tom Fawcett)博士は、BBCに対して次のように語った。

「発育期の体験は、人格形成に確かな影響を与えます。経歴を見てみると、スアレスはかなり厳しい環境(貧しい家庭の7人きょうだいの1人)で育ったようだ。生き残るには戦わなければならなかったでしょう。世慣れることが必要だったんです」

 映像を見る限り、スアレスはキエッリーニの肩に顔を押し付け、その後すぐピッチに倒れて口元を押さえていたが、かみついたと証明されたわけではなく、主審もこの場面を見てはいなかった。しかしフォーセット博士は、今回の事件は驚くようなことではないと語る。

「以前にあったことは、また起こります。どんな処置を施したとしても、またやるでしょう」