【6月24日 Relaxnews】世界で最も外国人観光客を魅了する旅行先とされるフランスが「無愛想な国」という評判を一新するための観光振興策を発表した。

 観光業に関する全国会議でローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相は、フランスを訪れる外国人観光客数を2012年の8300万人から、年間1億人に増やす目標を掲げた。

 会議に出席したフルール・ペルラン(Fleur Pellerin)貿易・観光相は、ビザの取得を筆頭に、観光客が直面する不便さを解消する必要があると述べた。またフランスでは「サービスとはへつらうこと」だと誤って捉える傾向があるが、そうではなく「おもてなしの感覚を取り戻す」ことが必要で、当局は観光PRにインターネットをもっとうまく活用すべきだと語った。

 とりわけパリ(Paris)に関しては、特にフランス語を話さない外国人観光客に無愛想で、ウエーターの接客も全般的に荒いという評判がある。その上、パリに対するイメージは近年、裕福な中国人旅行者を狙った強盗などの犯罪の影響で悪化している。ペルラン貿易・観光相は「観光は単に楽しいだけだとか、二の次にしていい事柄ではない。輸出産業と同様、重要だ」と強調した。

 フランスでは日曜日に営業できる店舗は観光エリアに限られ、特別な条件にあてはまる場合を除き、夜間営業は禁止といった規制があるが、ファビウス外相はもっと多くの店が日曜でも営業できるよう、観光エリアの指定地域を拡大すると述べた。

 また、外相は、パリの北駅(Gare du Nord)の一部を改装する計画も発表した。まずは英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスター(Eurostar)が乗り入れるホールから工事を着手する。「北駅は欧州の主要な駅で、ユーロスターのロンドン側、セントパンクラス駅(St Pancras Station)と競争できるようにしなければならない」と述べている。

 さらに来年、パリとシャルル・ドゴール空港(Charles de Gaulle International Airport)を結ぶ幹線道路にバス・タクシー専用車線を導入するという。

 外相は「第一印象がすべてを決める」として、フランスの空港や鉄道の駅での観光客の迎え方を改善するよう呼び掛けた。(c)Relaxnews/AFPBB News