【6月23日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産委員会は22日、人類最古の洞窟壁画で知られる南仏アルデシュ(Ardeche)県のショーベ洞窟(Chauvet Cave)を世界遺産に登録することを決定した。

 約3万6000年前に1000点以上の絵が描かれたショーベ洞窟は、1994年に発見されるまで、長きにわたって閉ざされたままだった。

 アルデシュ県選出の国会議員、パスカル・テラス(Pascal Terrasse)氏は、ショーベ洞窟の壁画について「最初の文化的行為」と形容し、「(壁画を描いた)アーティストの存在がようやく認められた。3万6000年間待たされたことをお許し願いたい」 と述べた。


 オレリー・フィリペティ(Aurelie Filippetti)文化相も、この洞窟を特別な研究の機会を提供する「人類にとっての重要な場所」であり、「当時と同じ強烈な心情を抱かせる宝石」だと声明で述べた。

 ユネスコによると、この洞窟には「オーリニャック人(Aurignacian)の芸術的創作における最初期の、そして最良の保存形態のものが含まれている」と述べている。

「面積8500平方メートル以上を覆う1000点余りの膨大な作品群は、高い芸術的・美的クオリティーにあふれ、ショーベ洞窟を先史時代洞窟芸術の並外れた証しとするものだ」

 洞窟の開口部は地下25メートルに位置し、約2万3000年前の落盤で塞がれた。

 3人の仏洞窟専門家によって発見された直後、ショーベ洞窟は同国の保護遺産地として宣言された。

 同洞窟への出入りは厳しく制限されており、洞窟への訪問を許可されているのは年間200人以下の調査員のみ。洞窟内部は800メートルにわたり複雑に枝分かれしている。

 描かれているのは人の手を象徴する図柄の他、マンモス、ヤマネコ、サイ、野牛、熊、原牛など数十種の動物。

 世界遺産の登録審査を行うユネスコの世界遺産委員会は、中東カタールのドーハ(Doha)で行われている。(c)AFP/Karim JAAFAR with Michael MAINVILLE in Paris