【6月19日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)のイングランド戦を控えるウルグアイのオスカル・タバレス(Oscar Tabarez)監督は18日、回復したルイス・スアレス(Luis Suarez)の戦列復帰を示唆するとともに、スアレスの問題行動は完全に過去の話だと語った。

 スアレスは2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)準々決勝のガーナ戦で、物議を醸す故意のハンドを犯したが、タバレス監督には、そのことについて議論をするつもりはない。

 ガーナ戦の延長終了間際、スアレスは故意にハンドの反則を犯して相手の得点を防ぎ、退場処分となったが、ガーナはこれで得たPKに失敗し、ウルグアイは結局、PK戦に持ち込むことに成功した。

 またスアレスは、キャリアを通じて得点を量産しながらも、かみつき行為で2度、人種差別で1度、出場停止処分を受けている。

 しかしタバレス監督は、19日にサンパウロ(Sao Paulo)で行われるイングランドとの大一番に向けて、27歳のスアレスの問題行動を振り返るつもりはないと話している。

「われわれのイメージは前向きなものだと思う。いくつものフェアプレー賞を受賞しており、それはウルグアイが品行方正なチームであることを証明していると思う」

「サッカーは人間がプレーしている。だから人間は時に間違いを犯すものだということを認める人間らしさを、みなさんも持つ必要がある。4年前に起こったことの話から会見を始めるというのはどうかと思う」

「4年前に起きたことを考えるのではなく、未来のことに集中するべきではないだろうか」

 スアレスは、大会直前に左膝の内視鏡手術を受けたが、本人によれば状態はすでに戻っているという。

 この日アレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)で行ったワンタッチでのボール回しの練習では、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)のエディンソン・カヴァーニ(Edinson Cavani)と同じ組に入り、冷たい雨が降る中で軽快な動きを見せた。

 一方、1-3で敗れたコスタリカ戦で先発したベテランのディエゴ・フォルラン(Diego Forlan)は別組に入っており、これをみる限り、南米王者ウルグアイは、スアレスとカヴァーニの2トップでイングランド戦に臨む可能性がある。

 イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)で、今季リーグ得点王となる31得点を挙げたスアレスは、おそらくウルグアイ浮上の鍵を握る選手になるとみられている。

 タバレス監督はスアレスについて、1か月前の手術からは十分に回復していると語る一方で、19日の試合に出場するかは明言しなかった。

「とても良く回復している。練習などにも膝はなじんでいるように見える。この1週間は、チーム練習に合流して、チームメートとともにプレーしている」

「もちろん、練習と試合は同じではない。明日もし出場するとしても、プレミアリーグでプレーしていたような万全の状態ではない可能性を考えておく必要がある」

「ただそれでも、100パーセントではなくても、チームに多くのものをもたらせる選手なんだ」

(c)AFP/Talek HARRIS