【6月19日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)に臨むメキシコ代表のGKギジェルモ・オチョア(Guillermo Ochoa)は、現在事実上のフリーエージェントとなっているが、17日に行われたグループAのブラジル戦で並外れたパフォーマンスを見せたことで、獲得を願うクラブが長い行列をなすことになるだろう。

 前半にネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)のヘディングシュートを右に横っ飛びして防いだ28歳のオチョアのプレーは、1970年のメキシコW杯でペレ(Pele)のシュートを防いだイングランドのゴードン・バンクス(Gordon Banks)を思い起こさせた。

 さらに、後半にはノーマークのチアゴ・シウバ(Thiago Silva)の至近距離からのヘディングシュートを信じられない反応で防いだオチョアだったが、それを抜きにしてもマンオブザマッチを獲得していただろう。

 オチョアは、「対戦したのがW杯開催国だったのだから、間違いなく人生最高の試合さ。ネイマールのヘディングは届かないと思った。ジャンプでラファエル・マルケス(Rafael Marquez)の上を行って、僕も驚いたからね。それでも、幸運なことに届いたんだ」と語った。

 「メモ(Memo)」のニックネームを持つオチョアは、W杯過去2大会では控えとしてメキシコ代表入りをしており、今大会を控えてもその居場所は確約されたものではなかった。

 しかしながら、メキシコのミゲル・エレーラ(Miguel Herrera)監督は、ホセ・コロナ(Jose Corona)とアルフレド・タラベラ(Alfredo Talavera)ではなくオチョアを起用した判断をこう説明していた。

「まずこの3人のGKをW杯に向けて選んでから、先発のキーパーを決めるということで、私の心変わりはなかった。(選ばれなかった)2人が信頼できなかったというわけではないが、メモがほんの少し上回っていたように思えたので決断した。彼は、私たちが思うような反応を見せていたんだ」

 ブラジルのルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督は意見を求められると、「私は、メキシコのGKが嫌いなんだよ」とジョークを飛ばしたが、この日のピッチに立っていた中で最高の選手はオチョアだったと認めた。