マラカナン・スタジアムの「永久チケット」 W杯期間中は無効
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■マラカナン魂は変わらない
ブルームベルクさんの見積もりでは、このチケットの市場価格は4万ドル(約400万円)ほど。世界銀行(World Bank)の統計で一人当たりの年収が1万1340ドル(約115万円)とされるブラジルでこれは一財産に相当する。
市当局は「永久チケット」の保持者に、W杯期間中は席が取れないことに対する補償として約2250ドル(約23万円)を払った。「FIFAは大会中まるまる1か月間のチケット発券の権利を一括して購入した。そんなわけで、彼らのイベントになってしまったよ」とブルームベルクさんは悔しがる。
ブラジルサッカーの殿堂、マラカナン・スタジアムでは昨年開催されたコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup 2013)に先だち、巨額の費用を投じて大規模な改修が行われた。W杯へ向けたこの改修で、以前は20万人もが入ったスタジアムの収容人員は7万4738人に減った。「改修後、永久チケットの保有者は全員、新しい席の権利を手に入れるために再登録が必要だった」とブルームベルクさんは説明する。「皆、W杯のチケットを入手できると期待していたんだが。訴訟を起こすという人もいたよ」
「このカードを持っているということは、このスタジアムの小さな一角を所有しているということだ。あなたの趣味は何かと聞かれたら、試合やコンサートを観るためにマラカナンへ行くことと答えているよ」とブルームベルクさんは語る。マラカナンはリオの名門サッカークラブ、フラメンゴの本拠地であり、そのライバルクラブ、フルミネンセ(Fluminense)もプレーするが「ブラジル代表の試合の際には、スタジアムは皆のものだ。だから国際試合の時に観客たちは『オー、アー、マラカナンはみんなのもの』とチャントするんだ」
W杯が終わり次第、再び「永久特別席」の権利を取り戻すつもりのブルームベルクさんは、改修のせいでマラカナン・スタジアムがいくらか魅力を失ってしまったと嘆く。「13億レアル(約590億円)もかけて全面改修する必要はなかったんだ。以前のスタジアムは芸術作品のようなものだったから、3億レアル(約135億円)くらいで部分改修するだけにしておけばよかったのに──それでも、マラカナンの魂は変わらないけどね」(c)AFP/Chris WRIGHT