中国製ペットフード問題、犬たちの死因いまだ不明 米FDA
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【6月18日 AFP】米国で中国製のペット用ジャーキーを食べた1000匹以上の犬が死んだ問題を調査している米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)は17日、米議会中国問題執行委員会(Congressional-Executive Commission on China、CECC)の公聴会で、これらの犬の死因はまだ特定できていないと報告した。
FDA動物用医薬品センター(Center for Veterinary Medicine)のトレーシー・フォーファ(Tracey Forfa)氏は同委員会に対し、中国から輸入されたジャーキー製品が原因で体調を崩したことが報告されている犬の数は、2007年以降で5600匹以上に上ると報告した上で、「徹底的な科学的調査が行われたものの、残念ながらFDAは、報告があった体調不良や死の原因を特定することはできていない」と述べた。
同氏によると、体調を崩した犬のサイズ、年齢、犬種はさまざまで、うち60%に胃腸疾患、30%に腎臓や泌尿器の問題がみられた。中にはファンコーニ症候群と呼ばれる珍しい病気になった犬もいたという。
消費者の間での懸念拡大を受け、ペット用品販売大手のペットコ(Petco)とペットスマート(Petsmart)は、数か月以内に店頭から中国製ペットフードを全て撤去すると発表している。
中国製ペットフードに関する懸念は、2007年に一部ブランドの製品から、通常はプラスチックの原料として使われるメラミンが検出され、大規模なリコールにつながったことに端を発している。
非営利団体(NPO)「フード・アンド・ウオーター・ウオッチ(Food and Water Watch)」によると、中国では食品の窒素含有量を高めてたんぱく質含有量を偽装するため、意図的に食品にメラミンが混ぜられている。(c)AFP