【6月17日 AFP】国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は16日、2014年の米経済成長率の見通しをこれまでの2.8%から2.0%に下方修正し、低金利政策を維持し最低賃金を引き上げて経済強化を図るよう米政治家らに求めた。

 IMFは米経済に関する年次報告のなかで下方修正の主な要因として、第1四半期に予想外の経済収縮がみられたことを挙げた。

 2015年の成長率については3.0%に回復するという見通しを示したが、そのためには米政府が最低賃金引き上げや強力なインフラ建設などの政策を取る必要があると指摘した。

 IMFは、完全雇用の回復は2017年末までないと予測し、米連邦準備制度理事会(Federal Reserve BoardFRB)は来年半ば頃までゼロ金利政策を維持できるだろうと述べている。一方のFRBは最近、金利引き上げを示唆している。

 米経済についてIMFのクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事は長期失業者が依然として多いこと、就業率が低いこと、米国人の約5000万人が貧困生活を送っている事実を挙げ、米国には「依然として景気後退の傷痕が見られる」と述べた。

 ラガルド氏は、これら全ての問題に1つの対策で臨むことは不可能だと述べ、「米国は未来に投資すべきだ。優先度が高いのは人への投資とインフラへの投資だ」と指摘した。(c)AFP/Paul HANDLEY