【6月16日 AFP】フランス国鉄(SNCF)の労働組合は15日、鉄道部門の改革計画に反対するストライキを翌16日も続行すると発表した。これによりストは6日目に突入し、2010年以降で最長の鉄道ストになる。

 観光シーズンがピークを迎えた中で続くストのため、すでに数百万人の観光客と国民の足に支障が出ている。これまでのところ、高速鉄道TGVは平均で2分の1の列車が運行を中止し、地方交通が大きな影響を受けている。

 ストはイタリアやスペイン行きの高速列車などの国際線にも影響。一方、高速鉄道ユーロスター(Eurostar)は、英ロンドン(London)行きを含め、正常に動いている。

 首都パリ(Paris)の国際空港に到着した人々も市中心部への足を奪われており、パリ地域全体で通勤・通学者1日あたり300万人の交通網も混乱している。

 仏下院では17日、鉄道部門での債務増大に対処する改革案の審議が予定されている。

 フレデリック・キュヴィエ(Frederic Cuvillier)運輸担当相は先週、鉄道部門の負債は400億ユーロ(約5兆5251億円)に上り、このまま放置すれば2025年には800億ユーロ(約11兆502億円)に膨れ上がると述べている。

 一方、ストを呼び掛けた労組は、改革案は債務の低減につながらないと主張、政府との力比べに入っており、双方とも譲歩の姿勢を見せていない。(c)AFP