【6月15日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は13日、ノースダコタ(North Dakota)州にある先住民の居留地スタンディングロック・スー族保留地(Standing Rock Sioux Tribe Reservation)を訪れた。

 大統領就任後初となる先住民族保留地の訪問にはミシェル・オバマ(Michelle Obama)大統領夫人も同行。オバマ大統領はネイティブ・アメリカンの教育と経済の発展に力を注ぐ考えを示した。

 ラコタ(Lakota)族やダコタ(Dakota)族などからなるスー(Sioux)族は、1876年に現在のモンタナ(Montana)州で起きたリトルビッグホーンの戦い(Battle of Little Bighorn)で、米国の騎馬隊を打ち破った伝説的な戦士シッティング・ブル(Sitting Bull)を生んだ部族としても知られる。

 屋外で開催された式典でオバマ大統領は、連邦政府とネイティブ・アメリカンとの関係改善のために果たした数多くの功績を自画自賛する一方、「私は将来の課題に向き合いたい。スタンディング・ロックで最も有名な人物であるシッティング・ブル酋長の導きに従うことがわれわれには可能だと思う。われわれの子供たちのためにできることを皆で一緒に考えよう」と述べた。

 オバマ大統領は聴衆に対し、「ネイティブ・アメリカンの保留地でより多くの経済的機会を生み出すために皆で力を合わせよう。つまり、スタンディング・ロックのような場所で、より多くの雇用を生み出し、小さなビジネスを支援していこう」と語りかけた。

 また、ネイティブ・アメリカンへの教育を改善する方法についても言及し、「保留地内の子どもたちの教育を管理し、学校を改革できるよう、さらなる資金や援助を提供するとともに、教育に関する権限をネイティブ・アメリカンの自治区に返還する」と述べた。

 米国旗が掲げられた保留地で、オバマ大統領は「合衆国に敬意と勇気をもって仕えた多くのネイティブ・アメリカンの人々」を褒めたたえた。

 オバマ大統領は、今回が大統領就任後初めての保留地訪問となったものの、ホワイトハウス(White House)で毎年、ネイティブ・アメリカンとの会合をもつなど、先住民族の指導者たちと緊密な関係を維持してきた。

 オバマ氏は大統領就任以前に、大統領選の遊説のため、モンタナ州にあるクロウ(Crow)族の保留地を訪れたことがある。(c)AFP