イラン、イラクでの武装勢力との戦いで米と協調の用意
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【6月15日 AFP】イスラム教シーア(Shiite)派のイランは14日、イスラム教スンニ(Sunni)派のイスラム武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant、ISIL)」がイラク北部の広範囲を制圧したことを受け、米国が武装勢力との戦いを主導的立場で支援する場合、国交が長年断絶しているものの米国との協調を検討する用意があることを明らかにした。
イランのハサン・ロウハニ(Hassan Rowhani)大統領は記者会見で、「米国がイラク国内のテロリスト集団に対して行動を起こすなら、検討できる」と述べ、支援申し入れを検討する用意があることを明らかにした。ロウハニ大統領は昨年8月の就任以来、イラン政府が長年「大悪魔」と呼んできた米国との関係改善を自身の手で進めてきた。
これに先立ちイラク軍司令官らは、首都バグダッド(Baghdad)北方の2都市を奪還したと発表。また、イラクのシーア(Shiite)派最高権威アリ・シスタニ(Ali al-Sistani)師の呼びかけに応え、数千人の市民が武器を取って戦う意思を表明した。
こうした中、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、バグダッド市境界から約80キロ以内に迫った武装勢力を阻止するため「あらゆる選択肢を検討している」と発言。ただ、地上戦を想定して戦闘部隊を派遣する可能性は排除する姿勢を強調した。
米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官が空母「ジョージ・H・W・ブッシュ(USS George H.W. Bush)」をペルシャ湾に派遣するよう命じたと明らかにした。(c)AFP/W.G. Dunlop