【6月12日 AFP】ナイジェリア北東部で、イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」がサッカーファンを標的にした攻撃を繰り返していることを受けて、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)の複数のパブリックビューイング会場が閉鎖を余儀なくされた。州当局者が11日、明らかにした。

 アダマワ(Adamawa)州政府によると、大勢の人々が集まり大型スクリーンで一緒にスポーツ観戦を楽しむ「ビューイングセンター」が攻撃の標的になる恐れがあると、地元の軍部隊から警戒があったという。同州知事の報道官は、「この情報に基づき、政府が州内の全ビューイング会場に無期限閉鎖を指示した」と伝えた。

 ナイジェリアには熱烈なサッカーファンが多く、同国代表チームは12日開幕のW杯にも出場する。

 ここ数か月、国内のサッカー関連会場などへの攻撃が相次いでいる。5月には、中部プラトー(Plateau)州の州都ジョス(Jos)で、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の決勝戦を放映していたビューイングセンターの外で爆発があり、3人が死亡した。4月には北東部ヨベ(Yobe)州で、同大会の準決勝の際にボコ・ハラムとみられる武装集団がビューイングセンターを襲撃、2人が射殺された。また今月にはアダマワ州で、サッカーの試合後に爆弾が爆発し、観戦を終え会場を出ようとしていたファンら40人以上が死亡した。

 ボコ・ハラムの指導者、アブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)は、同国北部に厳格なイスラム法を課すという同組織の活動目標の一環でサッカー批判を展開しており、これまで複数の動画の中で、サッカーと音楽はイスラム教徒の信仰を乱す欧米の策略だと主張している。(c)AFP