【6月11日 AFP】米カリフォルニア(California)州で、大量の現金を街中に隠す「宝探しゲーム」を仕掛け、多くの人を熱狂させていた正体不明の富豪が10日、ついに名乗り出た。

 正体を明かしたのは、不動産投資と起業によって富を得たジェーソン・ブジ(Jason Buzi)さん。米CNNテレビに「数週間前、友人たちと過ごしている時に、社会に何かお返しをしたい、そしてそれを皆が楽しめる方法でやりたいという話になった」と語った。

 友人らとアイデアを出し合ったところ、街に現金を隠してインターネット上でその在りかのヒントを公開するという案に落ち着いたという。

 ブジさんらはツイッター(Twitter)で「@HiddenCash」というアカウントを作り先月、隠された現金の場所のヒントを投稿し始めた。すると、サンフランシスコ(San Francisco)近郊に住む人々はわれ先にと街へ繰り出し「宝探し」に興じた。

「面白いことに、ここ数週間で米国各地の州や都市で僕らをまねする人々が何百と出てきた」とブジさん。さらに嬉しい驚きとして、人々は街を歩き回ること自体も楽しんでいるようだとも語った。

 だが、金を見返りなしに分け与えるという行為には、何か裏があるのではと疑う声も上がっているという。「動機を疑う人は多い。ビジネスのためだとか、何か見返りを求めているのではないかとか。でも、そんなことは全くない」とブジさんは断言する。「私たちは、楽しい方法で利益を還元しようとしているだけだ」(c)AFP